設立趣旨書
一般社団法人 日本歯科矯正専門医学会
Japanese Society of Orthodontists(JSO)
設 立 趣 旨 書
我が国において歯科矯正臨床が社会に根付いて約半世紀が経ちました。ところが当初から適正な規制が無いまま、歯科矯正専門医の存在が社会に認知される以前の1978年に自由標榜制度が施行されたために、今日の矯正臨床で質の低下した症例が散見され、現場の混乱を助長し、もはや社会の信頼を失う寸前に及んでいます。
医療は通常、罹患した身体部分を元の健康な状態に戻すことを目的といたしますが、歯科矯正治療は、その主な目的として不正咬合と云う歯列を含む顎顔面の不調和な状態を新たに正常と思われる位置に再構築する、いわゆる創造の医療であるといえます。
矯正治療は歯科医療の中でも、成長期の子どもの治療には長期の成長予測の能力を必要とするなどの特殊性が高い医療です。したがって、良質で安全な矯正治療を提供することができる矯正医に成るためには、大学卒業後、矯正治療に特化した専門教育を受け、技能を身につけるために経験を積む必要があります。
経済の異常な発展期には倫理が低下するのは歴史的事実でありますが、日本では歯科医師ならば誰でも矯正治療を手がけても法的には問題ありません。あくまでも倫理問題に過ぎませんが、直接に被害を受けるのは、社会を構成する一般大衆です。
この事態を収拾するには、日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)による厳格で公正なJBO認定審査に合格し,認定された歯科矯正専門医資格をもつ専門医が一致団結し、医療人として社会への義務を果たす必要があると考えます。
具体的には、JBO認定歯科矯正専門医の治療に基づいたガイドライン作成や市民公開講座の開催など社会に歯科矯正に関する正しい情報の発信をして、社会の福利に役立つ行動をするためには一般社団法人の設立が望ましいと考えます。
平成23年6月27日
一般社団法人 日本歯科矯正専門医学会
設立代表者 住所又は居所 愛媛県松山市森松町1131番地3
氏 名 三瀬 駿二
日本歯科矯正専門医学会(JSO)の法人化検討の経緯について
JSO設立
2004年以降、JBO認定審査で認定された歯科矯正専門医が60人以上輩出されたことを機に、歯科矯正専門医として、歯科矯正の正しい情報を社会に発信する方法を模索いたしました。2010年6月28日には有志により会合を開き、同年9月26日に三瀬駿二氏が会長として選出され、JBO歯科矯正専門医に入会の案内を送付し、同志を募りました。
2010年11月20日、JBO認定歯科矯正専門医が団結して行動するために「JIO認定歯科矯正専門医会」の設立総会が電磁的方法により開催され、会則が承認され、会務を執行するため理事・監事が選任され、三瀬駿二氏が会長に就任しました。
事業展開に伴う諸問題
社会に歯科矯正専門医として正しい情報を発信するための主な事業は、市民公開講座の開催、歯科矯正専門医の治療に基づいたガイドラインの作成、JSOホームページの作成が承認されました。
2010年11月20日・21日、上越市・新潟市で市民公開講座が開催され、医療ジャーナリストの増田美加氏、JSOから三瀬駿二会長・星 隆夫理事が講演し、多くの方が来場され盛況のうちに終了しました。
しかし、色々な問題があることも明らかになりました。公共施設で市民公開講座を開催する場合、あるいは市教育委員会や各地の歯科医師会や報道機関の後援を受けるためには、任意団体としての活動歴が長いか、法人格を取得している必要があることが判明しました。
今回の上越市・新潟市での市民公開講座は、認定審査を行うNPO法人JBOが主催し、一般社団法人JIOが共催することで、これらの手続きを行いました。
また、JIOが厚生労働省の専門医資格認定団体を申請するために「JBO認定歯科矯正専門医」を「JIO認定歯科矯正専門医」に変更したために、JIOとJBOの組織としての役割が不明瞭となっていることも判明しました。
名称変更
そこで、JSOはJBO認定歯科矯正専門医で構成されていることから、「JIO認定歯科矯正専門医会」という正式名称ではJIOが認定していると誤解される恐れがあるため、別称の「日本歯科矯正専門医学会」を正式名称として変更を行う必要があることも判明しました。
2011年1月11日に電磁的方法によるJSO臨時総会を開催し、全会員の賛同を得て、「日本歯科矯正専門医学会(JSO)」と名称を変更しました。
法人格取得へ
2011年6月27日のJSO総会で、上越市や新潟市での経験から、市民公開講座を開催するための諸手続きを行うためには法人格の取得が必要なことから、法人格取得について出席者全員より賛同を得ました。
法人化の手続きは、JIO・JBO・JAOの法人設立の手続きを行っていただいた公益総研の福島達也氏に依頼することになりました。
NPO法人あるいは一般社団法人のどちらかを選択するか検討した結果、NPO法人は誰でも入会することができるようにしなければならない規制があるため、JSOはJBO歯科矯正専門医しか入会できないことから、一般社団法人を選択し、非営利型で設立することになりました。
定款と事務所制定
法人格を取得するためには定款を作成する必要がありますので、任意団体JSOの会則を基に一般社団法人日本歯科矯正専門医学会(JSO)の定款の作成を福島氏に依頼し、2011年7月8日、公証人役場でJSO定款が認証されました。
なお、法人設立の手続きを早急に行う必要があることから、JSO会長三瀬駿二氏、JSO事務所として提供していただいた天野憲人氏、JIO会長深町博臣氏、JAO理事長藤田邦彦氏、JBO審査委員会委員長与五沢文夫氏、JBO代表委員夕田 勉の6名を一般社団法人JSO設立時の社員とすることにしました。JSOの事務所については、稲見佳大理事が申し出ていただいていたのですが、福島氏より東京都で法人設立登記申請をした方が良いと言われましたので、天野憲人氏に診療所を事務所として提供していただきました。
7月11日に設立時の社員6名で電磁的方法にて設立総会を開催し、一般社団法人日本歯科矯正専門医学会(JSO)の定款及び任意団体の理事(会長を含む)、監事、顧問の法人役員への就任を承認致しました。理事・監事の就任承諾書を作成しておりますが、印鑑証明を提出する必要はありません。なお、役員の任期は平成25年3月31日までです。
JSO役員 | ||
会長 | 三瀬駿二(設立代表理事) | |
副会長 | 澤端喜明 | |
専務理事 | 齋藤卓麻 | |
理事 | 浜崎広二朗 宮本敬次郎 稲見佳大 | |
清水美輝雄 池 元太郎 廣島邦泰 | ||
和島武毅 星 隆夫 片上勝秋 | ||
大野秀徳 有松稔晃 金井鐘秀 | ||
監事 | 樋口育伸 のき田邦裕 | |
顧問 | 与五沢文夫 藤田邦彦 中川靖郎 夕田 勉 |
JSOは一般社団法人として8月8日に登記を完了し、8月15日に税務手続きを行い、非営利型一般社団法人としてスタートしました。
今後の展開
11月23日(水,祝日)に北九州市で藤田邦彦氏・大木 淳氏・有松稔晃氏が中心となって市民公開講座を開催します。開催に先立ち、北九州市市長(教育委員会)・福岡県及び市歯科医師会・報道関係等には、国民が安全で安心な歯科矯正治療を受診できるように正しい情報を提供するための市民公開講座を開催するために、後援申請書類を提出しております。
今後、JSOとJIOは連携しながら社会活動を行う必要があると考えております。また、JBOは歯科矯正専門医の認定審査を、JAOは歯科矯正専門医の教育に特化して活動を行いますが、JSO・JIOと協力関係を構築して活動することになります。
以後、市民公開講座はJSOとJIOが協調して市教育委員会・県及び市歯科医師会・報道関係に後援をお願いする予定です。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。