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歯並び・咬み合わせが悪いとどうなるの

情報化社会の現代では、ホームページやメディアを介して私たちの周りにいろいろな情報が飛びかっています。矯正治療に関しても、様々な内容の情報が皆さまにとどいていることでしょう。

そこで、ここでは「歯並び・咬み合わせが悪いとどうなるのか」ということについて、「こころ」と「からだ」の二つの面から、私たち矯正臨床医の考えをまとめてみたいと思います。

こころの問題へ>      <からだの問題へ

〜 こころの問題 〜

  1. 【歯並び・かみ合わせとこころの関係】
    デコボコの歯並びだったり、かみ合わせが反対だったりすると、気になって口を押さえてしゃべったり笑ったりする方がいらっしゃいます。私たちの所に治療に訪れる方の大半は、このように歯並びやかみ合わせが悪いことを気にされている方です。同じような歯並びの方で、その状態をまったく気にされない方もおられることから、矯正治療はひとりひとりの気持ちと深く関係していると医療といえるでしょう。

    勇気を出して矯正治療を行なうことで、気にされていた歯並びやかみ合わせがきれいになることはもちろんですし、前歯が出ていたりかみ合わせが逆だったりする場合は矯正治療により口元やプロファイル(横から見た顔だち)も美しくなります。矯正治療は歯並びだけを改善するものと思われがちですが、特に前歯を動かすことで、口元の状態にも影響をもたらすのです。そしてなによりも、皆さまのこころを明るくするものです。

    矯正治療終了時の患者様の写真を見ると、その笑顔は喜びと自信に満ちています。美しく明るい笑顔は、コミュニケーションをスムーズにし社会における患者様の可能性をさらに高めてくれることでしょう。皆さまのすばらしい笑顔を見ることが、私たちの最終的な目標であり楽しみでもあります。歯並びやかみ合わせ口元の感じなどが気になる方は、お近くの専門医にご相談下さい、

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〜 からだの問題 〜

  1. 【歯並び・咬み合わせと虫歯、歯周病との関係】
    歯並びが悪い場合は、デコボコの部分の歯磨きが難しいため一生懸命歯を磨いていても汚れが取りきれないことが多いです。取り残した汚れの中の細菌が、虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。


    また、咬み合わせが悪い人の中で、唇を閉じることが大変でいつも口が開いてしまい口で呼吸をしている人も多く見受けられます。このような人の場合口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病の進行を防いでくれている唾液が、歯や歯ぐきに行き渡りません。よって虫歯や歯周病になりやすい状態と言えます。


    歯並びを整えたり、前歯を後退させて自然に口が閉じれるように治療することは、美しくなるだけでなく虫歯や歯周病にかかるリスクを少なくする効果もあるのです。

  2. 【矯正治療と咀しゃく機能との関係】
    歯並びやかみ合わせが悪いと、上下の歯のかみ合っている場所は当然少なくなりますから、物をかみ砕く(咀しゃく)効率は悪い状態です。矯正治療によりかみ合わせを治療することは、当然この咀しゃく機能の向上につながり胃腸への負担を軽減すると言われています。

  3. 【歯並び・かみ合わせと発音・飲み込みとの関係】
    上下の前歯がかみ合っていなかったり、かみ合わせが逆だったりすると、特定の音が発音しにくいことがあります。また、飲込みがうまく出来ず、飲み込む時に舌が上下の歯の間に出て来てしまう方の場合、かみ合わせに問題が生じることが多いです。

    このように、歯並びやかみ合わせの異常は、咀嚼だけでなく発音や飲み込みといったお口の機能とも大きく関わっています。

  4. 【歯並び・かみ合わせと顎関節症】
    歯並びやかみ合わせが悪いと顎の関節が悪くなり口が開けにくくなるというお話しを耳にされたことはありませんか。

    口が開けづらくなったり、肩や首がこるなどの症状がでる病気は顎関節症と呼ばれています。この病気は、たくさんの原因が重なりあって生じる、多因子性疾患だと考えられています。その主な原因として、1.かみ合わせの異常、2.生まれ持った顎や顔のゆがみ・顎の関節(下顎頭)の成長不全、3.歯ぎしり・くいしばり等の癖、4.精神的なストレスの4つがあげられています。つまり、この4つの原因が日常生活の中で重なって生じると顎関節症になる場合があるわけです。

    ですから、かみ合わせに問題がある人でも、歯ぎしりやストレスのない生活を送っている場合は、顎関節症にならないことが多いですし、逆に顎関節症の人のかみ合わせを矯正治療で治しても、歯ぎしりやストレスがなくならなければ顎関節症は治らないこともあるのです。

    従って、歯並びやかみ合わせの悪い方が、顎関節症の予防のためだけに矯正治療をする必要はありませんが、矯正治療で歯並びを良くすることが、結果として顎関節症になりにくくする効果はあると思われます。

  5. 【歯並び・かみ合わせと全身との関係】
    歯並びやかみ合わせが悪いと、体が歪んだり、視力が低下したり、小児喘息になるなどと、さまざまな全身への悪影響がホームページなどに出ています。しかし、これらの中で歯並びやかみ合わせとの関連性がハッキリと科学的に証明されていることは一つもないと言っていいでしょう。

    同じ人間の体の中で複数の症状が発生すれば、それらに何らかの関連があっても不思議ではありませんが、それらの一つ一つがどのようなシステムで成り立っているのか、また優劣はどうなのかは分かっていません。単に矯正治療をすればそれらの問題が解決するというように、人間の体のシステムは単純ではないのです。噂に惑わされることなく、もし不安なことがあるようでしたら、お近くの専門医にご相談下さい。

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